【活動進化プログラム】公開講座レポート #04

イベント2017年03月16日

#04 Fundrasing 資金調達 みんなとともに夢を実現する計画のつくりかた

事業の実現のために必要なものがあります。
特に「資金の調達」は、多くの団体が抱える悩みの1つ。

今回は、クリエイティブなプロジェクトや、社会課題の解決に対して、
最大規模のクラウドファンデイング型プラットフォーム「Readyfor?」の
富澤由佳さんと、みんなと共に夢を実現するための計画作りを考えていきました。

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□富澤由佳さんのFundrasing(Readyfor?)    

神戸生まれの京都育ち。日本酒とみかんが好き。
Readyfor?のマーケターとして、クラウドファンディングをやりたい人を増やし、
やってみようというところまでお手伝いをしている。
相談窓口を立ち上げ、サポートを行っている富澤さん

クラウドファンデイングでは、何かをやりたいとインターネットにやりたいことを
掲載する「実行者」と、サイトを見て、応援したいなと思いプロジェクトに
支援をする「支援者」がいます。
何も返ってこない「寄付型」、リターンでお金以外の権利や物が返ってくる「購入型」、
リターンでお金が返ってくる「投資型」の3つのパターンがあります。

「資金調達と同時に仲間作りができる」

「Readyfor?」とは、「誰もがやりたいことを実現できる世の中へ」と
2011年に開始された日本で最初の、そして最大のクラウドファンディングサービス。
2700件以上、3500億円以上を集めている。

資金調達と同時に仲間作りができることに価値があり、
想いの乗ったお金を通じて、実行者と支援者との関わりを深めていってほしいと話されました。

仕組みは、期間中に目標金額に達した場合のみ資金を受け取ることができる
「All or Nothing制度」と「購入型」となっている。

強みは、常に寄り添って、キュレーターがプロジェクトを始める時に構成や
広報活動といったアドバイスをしてくれる存在がいるといった1対1のサポート体制を敷いている。

実際に「Readyfor?」で資金調達を行なった2組の方に事例を紹介していただきました。
 □早川 美咲さんと山本 安佳里さん(「おでかけ手帖」)

子どもができて、おでかけがこんなに大変だということに気づき、
おかあさんたちのリフレッシュが上手くいくようにと、ベビーカーで
移動しやすい道や授乳できるところがわかるmap「おでかけ手帖」を作成した。

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1回目は自費出版で作成し、2回目の改訂の際にクラウドファンディングを行った。
仲間づくりからの資金集めだった、こういった場で話したり、マスコミにも
注目いただいたりと、新たな出会いが生まれる。信頼を得る。
そして、つながりを作れて挑戦してよかったと話されました。

 

□上田 遥さん(株式会社マザーネット)

日本の食と世界の食をなんとかしたいという想いを根底に、
食料廃棄物の問題を解決したいなと考え、鳥取県智頭町の
「知恵と愛情が詰まった栄養満点のおばあちゃん野菜を届けたい」と
クラウドファンディングを行なった。

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始めるプロセスとして、キュレーターの方のアドバイスによって、
キャッチコピーを作成していただいたり、自分のライフストーリーを
書くブログを始めたりとアドバイスがたくさんあった。
テレビの取材も来て、ローカルから全国へと広まったと話されました。

 

■クロストークセッション

Q:あまりにも実践者の方がすっと始めて、すっと成功したような印象が強いので、
始めるきっかけ、不安、こわいなや克服したことは?

上田さん:人に言いまくること。後戻りができないようにする。
「俺やるから」とブログを立ち上げて。
あとはキュレーターさんにまかせる。
何日めまでに何円いったらなんぼいけるといったことまでアドバイスをもらった。

Q:初版を諦めたとは?

早川さん:自分の好きな内容を作った。赤字になってしまった。
見極められなかった。好きなことをやっているんやろと家族の圧力もあった。
出版ができるかわからなかった。かなり挫折したことが多かった。
初版の時には、クラウドファンデイングを行わなくてよかったと思った。
機が熟していなかったが、改訂はできるイメージがあった。

Q:資金を集めてから作るという余裕がなかった?

早川さん:初版に関しては、資金に対する意識が回らなかった。
無料で配布するのは簡単だけど、出版するのは難しい。

Q:上田さんはささっとやれた?

上田さん:キュレーターさんの存在が大きかった。

早川さん:キュレーターさんとのやりとりは電話とかで大丈夫だった。
始める時に何人の人にメールを送りましょうねとか。ここがラインです。とかアドバイス。
まずはFacebookを。個人のFacebookでは発信をしていなかった。
ガツガツSNSをやっていなかった。メールを送るのが大変だった。
キーワードの「子どもとまちづくり」に引っかかった。キーマンとの出逢い。
集まる場で話し、そこから広がっていった。

富澤さん:まず、本当にやりたいのか?を確認する。
発信をしていかなければならない。やりたいことならサポートしますよ。とお伝えする。
そこから、私が本当にこれをやりたいのでとなったら、担当がつく。
金額と分野で振り分けている。やり方が変わってくる。
大きい金額だと企業に協賛を依頼したり。小さい金額だと周りだけから。

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Q:支援者について、身近な人が多い?

上田さん:113人くらい。消費者をパートナーとして考えた。
個人的な付き合いにもつながった。

富澤さん:個人情報は大切に扱っている。プラスでやり取りを行なっても大丈夫。

早川さん:46人。提供できるものは、本。赤ちゃんという限定的なものだったので
リターンするものについて、キュレーターさんに相談をした。

Q:リターンの内容も相談をしたのですか?

早川さん:わかりやすいものにしたかった。京都の子どもがいる人。
紹介したお店のクーポン券など、つながりがあるところのものを。

Q:上田さんも文章に関して、キャッチコピーも提案してもらえた?

上田さん:キャッチコピーは1ヶ月作った。使いたくない言葉について、
折れた方がいいのかなと。
最初のテロップと写真がとても大事なので、見てもらえるものをと。

Q:支援者の方々について、わかるもの?想いとか。どんな方が多いのか?

富澤さん:支援をする動機は、3パターン。
1つ目は、リターンがほしい。
上田さんの場合、野菜を食べたい。1万円で2箱。1人じゃ消費できないくらい。
お得じゃない?と感じるもの。
2つ目は、活動を応援したい。
いい活動だからとインフルエンサーが支援をしてくれる。
3つ目は、実行者を応援したい。なんか頑張っているから。
夢を追いかけてる人を応援したい。600回以上支援してる人がいる。
活動を応援したい。社会的に意義があると感じている。
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Q:やった方がいいよと思ったことや、始めたら大変だったことは?

早川さん:信頼を得られたこと。出会いができた。新しいプロジェクトが進みそう。
Awardに参加させていただいた。達成した方しかこないので、きらびやかなステージで
交流の場でもあった。

上田さん:SEOがいい。食育。野菜。と検索すると自分が出てくる。
誰のためにやっているのか?を改めて考えさせられた。消費者がなぜ求めているのか?
と人間的に成長をさせてもらえた。

Q:自分ごととしてやることによって、第三者にみられることが大事なのかなと感じている。
いろんなヒントとかを得られるのでは?

富澤さん:クラウドファンデイングとして、支援をしなかったけど、
一緒に活動をしたいと職員になった人がいた。講師をやってほしい。
遠方からお客様が来てくれる。その期間だけではなく、終わってからも続く。
機会を利用して、本当にやりたいことを発信してみませんか?という提案をしている。
やってみれば何かが変わるかも。双方向でのやり取りが生まれてくる。

Q:達成率は?

富澤さん:60%。中を見ると二極化している。
初動が目標金額の30%は周りの人から集めましょう。やらないと達成率が下がる。

Q:リターンをかけすぎなイメージがありますが

富澤さん:リターンで押すものは、お得感と限定感。マイナスになることはない。
唯一できるプラットフォーム。リターンの使い方を分けている。

Q:達成した場合の義務はありますか?

富澤さん:ない。プロジェクトページでの支援者さんたちとの約束を守ってください。
期間内にリターンを渡すといったことなど。ページできちんと報告してください。

早川さん:リターンしましたか?といった冷たい印象があった。
富澤さん:サポート窓口を作った。
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Q:相談はどの状況でしたらいいのか?

富澤さん:いつでも。次のステップに進める人は、事業案がきちんと決まっている人が多い。

Q:他の会社よりも優れているところは?

富澤さん:サポート。達成率が違う。サポートがつかないところは、達成率が低い。
プラットフォームによっては、有名な方や売れそうなことを行うところも多い。
Readyfor?は、事業や人で判断しない。
間口が広い。全員を受け入れて、担当者がつく。

Q:目標金額について。達成して伸びる理由は?

上田さん:リーチは早かった。
富澤さん:見た目上、達成していないように見せる。
ネクストゴールを設定している。仕掛けを入れる。

Q:デメリットはありますか?

上田さん:おばあちゃんがシステムをわかっていない。
地域において、写真に載りたくない。本当の地域の現実がわかった。

山本さん:連絡が取れなくなった友人がいる。応援してくれる人もいるが。お金くださいってお願いすると。

富澤さん:ソーシャルキャピタル。食いつぶすようになってしまう人もいる。
循環を作る必要がある。盛り上がるようにしていかなければならない。
サポートについて放置していることもある。本当の仲間にしていくために何をしていくのか?

東:普段の関わり方が大切。離れていっても、考えることもある。

□メッセージ

-これからクラウドファンディングを始める方へ-

山本さん:勉強になることがたくさんあった。やる気の渦が見えた。
次の活動のステップになった。

早川さん:不安の方が大きかったが、キュレーターや支援者のおかげでこういった場、
クラウドファンデイングをされた方との交流や今日来てくださっている方のパワーを感じた。

上田さん:タイミングが大事。タイミング次第で結果が変わってくるかと思うが、
悩むくらいなら、今、やっちゃえと思います。

富澤さん:それぞれが考えたり、知ったりしてくださったことが嬉しい。
みんなが夢を持てる社会を作りたい。と思っている。
まだ、何かをやりたいかをわからない人もReadyfor?のページを見て、
なんかやりたいと思った人は声をかけてほしい。
できないことはない。できる方法を提案する。
みんながやりたいと思ってくれることが嬉しい。
一歩が簡単なんだよと感じてくださったら嬉しい。

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