【活動進化プログラム】公開講座レポート #01

レポート2017年09月01日

#01 「ワークショップデザイン論から学ぶ、人を巻き込む問いの練りあげ方」

 

8/26(土)、“みんなごと”のまちづくり推進事業 活動進化プログラムの
第1回目の公開講座が開催されました。

“みんなごと”のまちづくり推進事業は、
京都がもっとよくなる、もっと住みやすくなる提案を、
市民から募集し、行政と民間が一体となって実現を目指す協働事業。

全5回の公開講座では、まちづくり・お宝バンク に提案をされている方、または、
これから提案しようと考えている市民に向けて、企画、広報、資金調達の手法を学んで頂きます。
(※みんなでつくる京都 まちづくり・お宝バンク)

第1回目となる今回は、
「ワークショップデザイン論から学ぶ、人を巻き込む問いの練りあげ方」がテーマです。

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「こんな文化を次の世代に残していきたい!」
「悩みを抱えている人のこと、もっとみんなに知ってほしい!」

想いを持っていても、一人で実現するのは難しい。
そんなとき、
適切な問いかけが、周りにいる人達のやる気を高め、
上手く巻き込んでいくきっかけにもなります。

そんな問いかけは、どうすればできるのでしょうか?

講師はワークショップデザインとコミュニティに関する学びが広く深く、
しかも楽しくハードに教えてくださる安斎 勇樹さんに東京よりお越し頂きました。

 

 

講義では、ワークショップに関する基本知識から問いの作り方まで、
多様な事例を交えながらお話頂きました。

 

 

ワークショップと問い

ワークショップというと、ちょっとした実習や
付箋と模造紙を使った作業を思い浮かべる人も多いと思いますが、
社会の変化にも関係する100年の歴史がある手法だそうです。

時代背景が、工場的思考から工房的思考に変わっていく中、
工房的思考の手法としてのワークショップは、芸術、教育、産業、まちづくりなど、
様々な領域で、ずっと「新しい手法だ!」と言われ、取り入れられてきたのです。

そんなワークショップを安斎さんは
「普段とは異なるものの見方から発想するコラボレーションによる学びと創造の方法」だといいます。

 

そして、この学びと創造を生み出すためには、「良い問い」が非常に重要だとのこと。

 

安斎さんがされた、大学生を対象に行ったワークショップの実験では、
「レゴを使って、居心地が良いカフェをつくる」と
「レゴを使って、危険だけど居心地が良いカフェをつくる」
という別々の課題を与えられたグループ内で、
それぞれ会話がどのように展開されたのか研究がおこなわれました。

前者の学生は「居心地の良いカフェとは?」という問いを考え、
後者の学生は「危険だけど居心地が良いカフェとは?」という問いを考えることになります。

このワークショップの実験で見えてきたものは

後者の方が明らかに会話の連鎖が多く見られ、沈黙時間と数多くの没作品を生み出しながらも、
会話のゆりかごが続いていったということでした。

「危険だけど」という条件が、よりワークショップの良さを引き出す問いとなったのです。

 

このほかにも、安斎さんは、様々な実例と合わせて、
問いの重要性や立て方を、丁寧に紹介して下さいました。

 


会場ではA4の紙が配られ、「大学生にお金との付き合い方を深める、一連した3つの問い」を
考える課題が与えられました。

参加者が考え込む中、雑談のように、安斎さんがヒントを伝えていきます。

・教えてやろう。気づかせてやろうと思わないこと。

・一連の問いの中で、どこにピークをもってくるか?

・大学生にとってのお金に関するキーワードを書き出してみる。

・テーマから感じ取るネガティブな側面とポジティブな側面を書き出して、矛盾を探す。

・自分が無意識に前提としていることがあるんじゃないか?

 

それぞれが考えた問いを、近くの人と共有する場面では、

「お金という単位がなくなったら?」
「新しいお金のルールを考えるとすると?」といった問いがあげられました。

お互いの考えた問いを見ながら、単発の問いはでるが、それを3つの問いで組み合わせるのは難しい。
どうしても、自分の価値観の偏りが問いに反映してしまう。教えてやろうとしない問いというのは何か?
といったことなどを話し合いました。

考え込む時間も多く、問いを立てる人が一番大変だという安斎さんの言葉を実感しました。

 

一人では解決できない課題があるから、みんなでやる。

実現したい想いがあるけれど、1人では出来ない、
周りの仲間を巻き込みながら、何らかのコミュニティを作り、実現を目指していきたい。

講義では、コミュニティの特徴として、
長期的な活動の継続を前提としていること、
コミュニティのメンバーにはレイヤーがあり、入れ替わりが起きること、
周辺参加者の存在や専門性や志向性の様々な人が必要であること、といった要素が伝えられた上で、

参加している人、または、参加してほしい人に対して、
それぞれにデザインされた問いかけをしていくことが大切だと言います。

様々な切り口から話される問いの立て方に、参加者は考え込んだり、
メモを取ったり、話に聞き入ったり、4時間という比較的長い講座にも関わらず、
集中力が切れている様子はありませんでした。

 

ここで、講義は再びワークの時間となります。

自分が何を実現したいのか、自分がどんな問いを持っているのか、
周りを巻き込むにはどんな問いが良いのか、を言葉にするワークです。

参加者は事前に配られた紙に「私の中心的な問い」1つと
「関連する問い・ブレイクダウンした問い・サブ的な問い」5つ程度を考えて記入していきます。

 

参加者が記入している間にも、安斎さんはヒントを出していきます。

・中心的な問いは、日常の中で自分が長期的に考えていきたいと思えることでもいい。

・未来志向に考えることで、社会環境の変化に結び付ける問いにしてみる。

・これから巻き込みたい人を考え、その人にどう問いかければささるのか?

書き終えた後は、会場全体を動き回って、
自ら掲げた問いについて、他の参加者と共有する時間となりました。

 

私がお話した方の中には、自転車が好きで自転車が邪魔者扱いされないよう、
歩行者や車との共存を考えておられる方や、自分の描くグラフィックレコーディングを見て
すごいっと言ってもらえるのが嬉しいという方がいらっしゃいました。

問いの話から自分の性格の話になったり、
違う世代の反応が良いフィードバックになった人もいたようです。

 

 

参加者の感想

・ワークショップをする事前準備、別角度でみることの大切さ、問いが一方通行になっていないか、端辺的な問いばかりになってないかなど考えること、また周りと共有して再検討することが大切だと思いました。

 

・問いの立て方に対する考え方、よりよい問いをするために、問いをチェックする際の視点が得られた。

 

・問いの立て方、言葉の使い方によって方向性が変わるなということを改めて感じました。場作りは事前準備がまず大事で、さらに場を見ながら柔軟に変えていくことが大事なんだと思います。

 

・まずはタフな問いを立てること。自分の言葉で、その理由を伝えられるようになりたい。

 

・「ワークショップ=ちょっとした体験、実習を伴う集まり」というレベルでとらえてきましたし、今もそう理解している人が多いと思います。しかし、「ワークショップ」をなぜ行うのか、の明確な考え方から導かれる「実践」ということを本気で考える必要性、必然性が理解できかけていると思います。

◆グラフィックレコーディング

会場の後ろ側では、
鈴木さよさんにグラフィックレコーディングをして頂きました。

 

振り返りシート

そして、今回みなさんにご記入いただいた振り返りシートをまとめました。
下記よりご覧ください。

⇨振り返りまとめ「講座を受ける前後での気づきと変化」

⇨振り返りまとめ_「変化を経て挑戦する最初の一歩」

 

ワークショップの問いのデザイン、いかに学びと創発を生み出すか?をテーマにお話しいただいた今回の講座。次回は9/15(金)に「チャリティー総額1000万を超えた、社会起業家の広報術」をテーマにJAMMIN合同会社Co-founderの高橋佳吾さんにお話しいただきます。

 

 

 

 

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